認知行動療法の基礎

  • 2020.09.15 Tuesday
  • 15:48

認知行動療法はユカリズルームの電話カウンセリングで人気のある心理療法です。

ここでは認知行動療法の基礎を詳しくお伝えしていきます。

 

 

認知とは
認知とは「その人がそのものごとをどうとらえていくか」その捉え方を指します。同じ環境や刺激を与えられても、その感じ方は誰でも同じというわけではありません。例えば同じ風景を見ていても、同じ音楽を聞いていても、その感じ方は人それぞれです。同じ外界からの刺激に対して、認知のされ方はそれぞれの人の考え方や経験によるところが大きいということです。人間関係に関しても同じで、人から同じ態度・同じ言葉をかけられた時でも、その受けとめ方は人それぞれ異なりますね。この「受けとめ方・認知」がゆがんだ状態を「認知のゆがみ」と呼びます。この「認知のゆがみ」は、特にうつ病のかたに多くみられると言われています。

 

 

認知行動療法とは
認知行動療法はcognitive behavioral therapy=CBTとも呼ばれます。認知のゆがみを修正し、問題解決を手助けすることによって精神疾患を治療することを目的とした、構造化された心理療法のことです。もう少しわかりやすい言葉でお話すると「考え方や行動をより良く変化させるために、ある形式に沿って行われる特別なカウンセリング」というところでしょうか。

 

認知行動療法を用いたカウンセリングでは、「日々の出来事に対する考え方、感じ方」に焦点をあて、それを意図的に変化させていくことを目指します。認知行動療法はうつ病をはじめとする、心の不具合や精神疾患の治療だけではなく、広く日常生活に活かしていくことが可能です。毎日をより良く、より楽しく過ごしたいとお考えの方のお手伝いをすることができます。ユカリズルームでは精神疾患の治療的対応に限らず、ストレスの軽減や・よりよい生活のために、また自分らしい人生のために活用される機会が多くあります。

 

 

認知行動療法の歴史
認知行動療法は1970年、アメリカの精神科医であるアーロン・ベックが考案した、主にうつ病のための治療法です。べックは、うつ病患者と接しているうちに、あることに気が付きました。それは「うつ病患者のものの捉えかた(=認知)が、普通の人とは違う」ということです。このことを「認知のゆがみ」とし、そのゆがみを「合理的に」「意識的に」治療する方法として認知療法が生まれたのです。「認知のゆがみ」は、同時にうつ病の症状でもあり、うつ状態がひどくなると、より強く表れる傾向にあります。例えば、愛する人を失う(対象喪失)、仕事が極端に忙しい、対人関係の複雑化などは大きなストレスとなります。このような大きなストレスにさらされた時、人は「認知のゆがみ」が出やすくなります。「認知のゆがみ」は新たなストレス要因を引き出したり、長引かせたりします。こうして、ストレスの総量がその人の許容範囲を超えた時、脳の機能低下が起きて思考力や精神力、集中力がなくなり、うつ病が発症すると考えられています。

 

 

認知行動療法3つのキーワード

キーワード1:自動思考
認知行動療法では、自動思考、すなわち様々な状況でその時に自動的に沸き起こってくる思考やイメージに焦点を当てます。

 

キーワード2:現実的検証
認知行動療法では観念的な議論ではなく、あくまでも現実に目を向けた検証を基本とします。認知行動療法を用いたカウンセリングでは、カウンセラーはクライエント様をあたたかく受け入れると同時に、クライエント様の考えや思いこみを、カウンセラーとクライエント様が一緒になって「科学者」のように検証していく共同的経験主義と呼ばれる関係の重要性が強調されます。カウンセラーは、クライエント様の主体性を尊重し、クライエント様が自分の意見を表現しやすい環境を作り出しながら、クライエント様が自分で答えを見つけ出していただくような関わり方をすることも大切です。

 

 キーワード3:ホームワーク
認知行動療法では、ホームワークといって次回のカウンセリングまでの間に向き合うべき課題が出されます。実際に話し合ったことを実生活で検証しつつ、認知の修正を図ります。その内容はクライエント様の状態により、カウンセラーが提案・調整します。

 

 

認知行動療法を行う時の注意点

認知行動療法とは本来、クライエント様がご自分で「症状をやわらげたい」「自分を変えたい」と強く願い、意欲的に取り組むお気持ちがないと、効果はありません。また、今まで避けてきた心の中の嫌な出来事にも、正面から向き合う必要があるため、うつ病の急性期にいらっしゃるクライエント様にとっては、認知行動療法自体が負担となり、症状が悪化することがありますのでご注意下さい。病気をお持ちでない方であっても、大きなストレスや悩みがある時はそれらへの対処を優先し、認知行動療法には比較的気持ちが落ち着いている時期に取り組むことが望ましいと思います。

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